兄への何か
いやなこと
すきだった居場所
もう変わってしまって、
それはこの先変わらない
なにもかも
永遠ではないことを知るのは何度目だろう
きみがすきで
きみにはすきなひとがいて
普通の幸せを目指してく
よかった
よかったね、おめでとう
玄関に並んだ知らないサンダル
掃除された部屋
聞こえてくるあまいこえ
なにもかも
諦めたくなるようなおもい
かなしい、さみしい
けれどしようがない
よろこばなければ
困らせてしまうだけだ
あの手の感触を覚えている
不器用な温もりを思い出す
頭に乗せられた重みが心地よかった
でも
「今度、婚姻届持ってくるんだって」
そうやって嬉しそうに微笑む母の顔に
もう、戻らないのだと、遠くおもった。
君の鮮やかな未来に絶望している私は一体、
何を望んでいるというのだろう