灰色の空

あした晴天なら

君、

私が見てきたのは、いつも寂しい背中。

私が気にかけてきたのは、いつも悲しい表情。

私が救いたかったのは、いつもの笑顔。

 

私が誰かの為に泣いてしまったのは、君が初めて。

 

私が何度目かの涙を流した後に君が、

「私、辞めないことにしたの。だから、一緒に頑張ろうよ」

そう言って、手を握ってくれた

その時、君の顔が一瞬いつもの笑顔になった。

それが嬉しくて嬉しくて、また泣いてしまった。

「ありがとうね」

私の顔を覗き込む君は楽しそうだった。

 

 

君はもう随分と以前の明るい表情を取り戻したようだった。

君が笑わなくなったあの日から、どんどん痩せていく君と、昨日の夕飯は何を食べて、つい食べ過ぎてしまったんだとか、ダイエットは2日も経たずに諦めたのだとか、話をしては2人で笑い転げることも出来なかったが、

「聞いて、昨日ね。うな重食べたの」

なんて私の方に振り返った君がそうやって笑うから思わず驚いた顔を見せてしまって、「元気ない?」なんて困らせてしまった。

「ううん、またリバウンドだな〜??」

いつも通り笑ってあげられただろうか

良かった。本当に、本当に良かった。

 

「もういいよ〜」

 

ケラケラと楽しそうな君

それだけで、良い

 

「うん、もういいよ」

 

口に出てしまう。抑えられない涙が落ちてくる。

君は驚いて、それから、ちょっぴり眉を下げて私の手を握る。

 

「ありがとう、」

 

私は、救ってあげられたんだろうか。

 

いや、君が自分の力で這い上がってきたんだろう

君はいつだって本当は強い人なんだ

 

救われたのは、私の方だった。

 

「ううん、ありがとう。」